2015年3月22日日曜日

「肉体の門」ナマ フイルム



神田の古書店で出会いました

16mmのポジフイルムの切れ端と「ナマ フイルム」と書かれた意味深な封筒。「なんだ。これ!」というのが第一印象。・・・

店の御主人に尋ねると「肉体の門の公開当時、映画館で無料で配られたものだと思います」という返事。よく見ると、実際劇場で上映したフイルムとあります。もちろんプリントしたものだと思いますが、これを配ろうとした映画配給会社は、宣伝文句に「来場者にナマフイルムプレゼント」と書いたんでしょうね。

これを蔵原監督に見て頂いたら「今度、清順監督に会うのでサインもらってきてあげる」という有難いお言葉。それに、フイルムをデジタル化もして頂けるというまたまた嬉しいお話。何が映っているのか、まだわかりませんが、特別試写会等でご覧いただけるようにしたいと思います。

肉体の門(1964)


敗戦直後の東京を舞台に、混乱の中を逞しく生きる5人の娼婦を描いた田村泰次郎のベストセラー小説を、鈴木清順監督が映画化。当時19歳だった野川由美子の新鮮で大胆な演技が話題を呼ぶと共に、監督特有の映画美学が色濃く表れた代表作のひとつ。(キネマ旬報社データベースより)

「肉体文学」の最高峰として戦後初のロング・ベストセラーとなった田村泰次郎の原作を映画化した衝撃のエロスクラシック大作!キャストは、本作品がデビューとなった19歳の野川由美子。戦後の焼け野原で、自らの「肉」と「性」を逞しく、太々しく生きるメス犬「ボルネオ・マヤ」を、山猫のようにしなやかで野性味あふれる肉体演技で観客の度肝を抜いた。鈴木清順監督は、5人の娼婦を色分けして描くという「清順」美学を展開、木村威夫の美術が戦後バラックを再現、清順映画としてそして衝撃の「エロス」アクション映画としていまだかつて成しえなかった映像世界を作り出している。「肉体」の匂い、湿度、温度、そして情欲が映画に充満している!数度の映画化にも関わらず、すべてをさらけ出した野川由美子の肉体とともに本作こそが映画ファンの「官能」脳裏に刻まれた、永遠不滅の「敗戦復興」ムービー!!(moviewalkerより)

【キャスト】
野川由美子、宍戸錠、松尾嘉代、和田浩治、河西都子、石井富子、富永美沙子、江角英明

【スタッフ】
監督 鈴木清順、原作 田村泰次郎、企画 岩井金男、脚本 棚田吾郎、撮影 峰重義、音楽 山本直純、美術 木村威夫

2015年3月16日月曜日

アリスレックス探訪Ⅱ

3・10多摩美術大学

急な雷雨の中、多摩美に走る。この日、檜山先生にアリフレックスの資料をお願いにあがった。
多摩美OBで撮影をされている中野貴大さんが同席された。嬉しいことに中野さんは桜餅を用意してくれていました。春の走り。白あんの桜餅が美味しかった。

さて、美大についたらまず、スタジオに案内頂いた。ここは撮影に使ったり、集まりにも使われますが、20年前に作られたもので、床には井戸の扉がありました。災害の時には集合場所になっていたのでしょう。



檜山先生の部屋で、キャメラを見せて頂く。これは東京オリンピックを撮影したアリフレックス。当時は100台、3人づつついて300人ほどの撮影班が動いていた。予備のキャメラもあったというので、120台くらいはあったのでしょうか。

檜山先生

平林プロデューサーと撮影の中野貴大さん



アリフレックス探訪Ⅰ

3・8不二技術研究所

「懐かしきフイルム映画アーカイブス」第一回目はアリフレックス35になりました。パイロット版の構成案を持って、不二技術研究所へ。委員の平林、杉浦と、ディレクターの川井さん、道解さんも参加して、急きょ、小板橋さんのキャメラ教室となりました。




アリフレックスは小型で、外に持ち出せる。一人で操作できるということで戦場で使われた。皮肉なもので、戦争が機材を進化させたのか。



手でクランク(crank)(フイルム巻き上げレバー)を回すときのコツ。これは、カメラを回すこと。今ではテレビでも「クランク・イン」「クランク・アップ」(和声英語)というが、本来クランクとはフイルムを巻き上げるレバーのこと。
デジタル世界でも、きちんとフイルム文化は継承されている・・?